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濁ってきた桑田佳祐 2007.05.06

最近CMで桑田佳祐を良く見る。
明治製菓の「ショコライフ」、メンズエステの「ダンディハウス」に出ている桑田佳祐は、CMが表現したい路線的には合致している。
「男性のエッチ心をコミカルに、ちょっと哀愁もこめて描く」という目的の上では、この上ない人選と言えるだろう。
しかしこの2つのCMを、私は今までのようには見られなかった。
何となく桑田の「エッチ心」の表現が重たくなったというか、粘着質な、濁り気のようなものが感じられるのだ。
簡単に言うと「イタい」感じになってしまっていたのである。
↓CMが見られます(どちらも30秒バージョンがオススメ)
明治製菓「ショコライフ」チェス編 (『CMギャラリー』をクリックして下さい)
ダンディハウス キス編
今まで桑田佳祐はずっとサザンオールスターズのフロントマンとして一線を走っており、桑田のイメージは、すなわちサザンのイメージだった。
それは若さ、海、恋愛、開放感、エッチ方面などいろんな要素があるけれど、どれにも共通していたのはその「軽さ」だったと思う。
だからどんなにエッチなことを歌詞に入れて歌ったとしてもみんなあっけらかんとそれを聴けたし、歌えた。
よく聴くとちょっと刺激的な部分もあるサザンの歌詞も、(彼の歌い方によるものもあるが)さほど問題にもされなかったし、楽曲はずっと若者の定番であり続けており、桑田自身もいい感じに力の抜けた年の取り方をしてきていると思う。
と、私も思っていた。
あのCM2本を見るまでは。
この2本のCMは商品のジャンルは全く違うけれど、桑田を使った目的、表現方法は一致していると思う。
「ショコライフ」は若くてセクシーなメイドとチェスの対戦中、メイド服からのぞく胸や足を何とかのぞき見ようとするうちに勝負がおろそかになり、突然メイドにチェックメイト(王手)されてしまう。
ダンディハウスの方は、パーティで見つけた美女と何とかお近づきになろうと手にキスをするが、キスの仕方があまりにも熱心(笑)なため却って女性に嫌がられてしまう。
どちらも女性(の美や色気)を崇拝するが上に翻弄される男の哀愁(大袈裟?)というか、そういう感じなんだと思う。
これまでの桑田だったら最も得意とするジャンルだ。CM製作側も、絵コンテ的には王道ともいえる安定路線であると思っていたことだろう。
だが、出来上がったこの2本での桑田には肝心な「軽さ」が欠けていた。
演じているのが桑田佳祐だと認識していても
メイドの足を見ようとわざとチェスの駒を床に落とす時に一瞬走らせる視線、美女の手にキスするときの上目遣いの表情は、見ようによってはただの変態オヤジにしか見えない。要するに見ていて「イタい」のだ。
これまでの桑田にはなかった粘着質な重みが決定的にCM全体のコミカルさ、軽さを奪っていた。
何か痛々しいというか、狙った以上に物悲しいというか、脂ぎった中年オヤジが若い女の子にセクハラしてるのを見てしまった時のような気持ち悪さを感じた。桑田も年取ったということか。
若くない女性が極端にが若作りしていると一種異様に見えるのと同じように、男性もこういう感じに「切り替わる」瞬間があるんだなあ、としみじみしてしまった。
最近のサザンの歌は自分で自分の歌をコピーしているかのようにどれを聞いても同じように聞こえ、内容も以前よりも色あせてきているように思う。
特に'90年代初めからは桑田(サザン)の新曲が、だいたいが2〜3くらいの路線に分類できるようになってきているように思う。
「エロティカ・セブン」路線か「みんなのうた」路線かのどちらか、あとはバラードくらいか。
「白い恋人達」(これは桑田個人でクレジットされている)という名作はあるが、だいたいがリリース当時はヒットしても後々まで心には残らず、曲が消費されつくすのが早い。
「Ya Ya〜あの時代を忘れない」「海」「C調言葉にご用心」のような後々まで残る曲が最近は殆ど生まれてきてないように思う。
桑田もサザンも、今までの貯金で食いつなぐことにそろそろ限界が来ているのではないか、
もうひと段階、いい意味で大人に「脱皮」する時期に来ているんじゃないか、と思ってしまった。
「脱皮」しても今までのように「遊ぶ」ポジションを維持することは桑田なら、サザンならできると思うのだが。
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